🐶よわむし獣医の備忘録🐱

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ちーちゃん⑥

ちーちゃん⑤のつづきです。

 

抗生剤の治療+抗炎症用量でのステロイドで、ちーちゃんはどのような経過を

たどったのでしょうか。

 

入院して、初日から3日目くらいまでは2時間おきによだれと鼻水を拭かないと、

清潔な状態を保てないような状態でした。

しかし、4日目以降徐々によだれ・鼻水は収まっていき、半日に1度くらいの

清拭ですむようになりました。

また、点滴でプリンペランを入れていましたが、レントゲンで追っていくと、

同時期から胃にガスがたまらなくなっていきました。

(途中で胃腸運動改善のための別の薬も足しています)

 

ここまででは経過はよくみえるのですが・・・

ちーちゃんの見た目の状態(食欲低下・元気さ・目のうつろさ)は改善されませんでした。

 

おそらく感染のコントロールはうまくいっていますが、

原因は感染だけではなかったということでしょう。

 

5日目くらいで、感染の憎悪を覚悟で高容量のステロイドを打ちましたが、

全く症状は良くならず、食欲廃絶の状況も変わらずでした。

そうなると、おそらくステロイドに反応しないタイプの腫瘍が鼻腔に占拠していたのだと思います。

 

最終的に、ちーちゃんは入院して8日目で亡くなってしまいました。

 

本当に悔しい気持ちと、力になれなかった申し訳なさでいっぱいでした。

高齢の子に対してできることは、どうしても限られてしまいますが、オーナー様は

こちらが提案したできうる限りの治療をさせてくれました。

天国では元気いっぱいで遊んで、好きなものを食べて暮らしていてほしいです。

 

ちーちゃんの治療記録は以上となります。